水彩紙の寿命
拙著「失敗しない水彩の画材選び」でも触れましたが、水彩紙には寿命があります。いつまでが寿命か? ……滲み止め(サイジング)が効かなくなるまで…… でしょう。滲み止めがダメになると、塗った絵の具がスーッと染みこんでしまい、表面にとどまってくれません。また、色を塗った面がまだらになったり、発色が悪くなったりします。
カゼをひいた紙 |
カゼをひいた紙に描いた水彩画 |
水彩紙の延命対策
水彩紙を長持ちさせるコツは、とにかく湿気から守ることです。紙、スケッチブック、ブロック、みんなビニール袋に入れてしまいましょう。小さいものは100円ショップで売っているファスナー付きの袋が便利。A3の大きさまであります。大きい紙は布団圧縮袋が便利です。圧縮しないで出来るだけ空気を抜くようにジッパーをしっかり止めましょう。布団圧縮袋(失敗しない水彩の画材選びより) |
延命対策の結果
さて、どのくらい長持ちするのか……………………
…………
実験しました。足かけ7年に渡るその実験結果は……
まずは4年ものの「オールド」アルシュ。
4年ものアルシュ / ラフ(部分拡大) |
次は7年ものの「ビンテージ」ウォーターフォード。7年前に本のためにリフティングの実験をしたものがビニール袋保存してあったので、開封して描いてみました。
ゆず(7年ものウォーターフォード) |
上の画像は今年描いたゆずの絵を切り離したところ。3色のオビは7年前に描いたリフティングの実験。「失敗しない水彩の画材選び」に掲載したものです。
4年もののアルシュ、7年もののウォーターフォード、いずれも正常に描けました。ビニール袋保存の威力が実証されましたね。(註 ★保証はしません★) 実際にはこんなに長く保存せず、せっせと使ってしまいましょう。せいぜい1年くらいで使い切るのが良いと思います。
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