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水彩紙システム Watercolor Paper System

2019年1月31日木曜日

水彩紙

t f B! P L

水彩紙システムって、何のこっちゃー

じつは、ボクが考えたシステマチックに水彩画の大きさを決める方法なのです。
長年、広告業界でデザイナーをやっていた関係もあり、「ルート2矩形」がもっとも美しい長方形だと確信していますので、絵のタテヨコ比をルート2矩形に固定してしまいます。でも黄金比(1:1.616)はどうなん——という声もありそうですね。黄金比は美しい比率だけど個人的には長辺が長すぎて使いづらい感じがします。
また、「ルート2矩形」は半分に切っても「ルート2矩形」になるという、数学的な美しさも併せ持っているので、完璧な比率といってもいいんじゃないかな。

「ルート2矩形」ってなんなのさ

「ルート2矩形」についてちょっと説明すると、長方形の辺の比率が1:ルート2(1.414…… ひとよひとよにひとみごろ〜 のアレです)になっている長方形のことです。日本の用紙規格、A1 A2 とか B3 B4 とかに採用されていますね。図解するとこんな感じ。↓↓

A判の図解

JIS規格のA判の紙(ちなみにB判は面積がA判の1.5倍になる)

水彩紙の大きさは

ところで、水彩紙の大きさは国産だと四六判(788mm×1091mm)が多いみたいですが、アルシュ、ウォーターフォード、ファブリアーノなどは「56×76cm」(インペリアルサイズ)になっています。

B2判の紙とインペリアルサイズの水彩紙、サイズ図
水彩紙の大きさはB2判の紙に近い。

水彩紙は高価なので、なるべく無駄なく使いたいよね。だから、全紙、半切、1/4から出来るだけ大きなルート矩形の画面を割り出したいと言う訳で、こんなシステムを考えてみました。


パネル水張り水彩紙システム

水彩紙は水張りするのが基本。そこで水彩紙の大きさに合わせて一回り大きな木製パネルを選びます。

水彩紙全紙(56×76cm)→パネル A1(59.4×84.1cm)
水彩紙半切(38×56cm)→パネル A2(42×59.4cm)
水彩紙1/4(28×38cm)→パネル A3(29.7×42cm)

水張りするテープの分の余白を最小の5mmにして、額装する際のマットで隠れる余白を1cm取ると、全部で上下左右それぞれに1.5cmの余白が必用。余白をさし引くと、

全紙→53×73cm
半切→35×53cm
1/4→25×35cm

1/4の25x35cmは比率が1:1.4なので、ルート矩形に近いです。これを基準にして短辺を倍にしていけば上手くいきそうです。
ということで、下記の大きさの画面で描けばいいということになりました。

1/4→25x35cm(タテヨコ比 1:1.4)
半切→35×50cm(タテヨコ比 1:1.428)
全紙→50×70cm(タテヨコ比 1:1.4)
パネル張り水彩紙システム図解
水張りテープで貼り付ける分が5mmしか取れませんが、マットのための余白は最低5mmあればよく、紙の大きさは56×76cmよりちょっぴり大きめなので、何とかなるでしょう。実測したところ、ファブリアーノ56.2×76.7cm アルシュ57.5×77.5cm ウォーターフォード56.7×76cmでした。

ということで、このシステムを考案した数年前からボクの描く絵は25×35cm 35×50cm 50×70cmになっています。(一部を除く)

水彩画 エニシダ(ニュージーランド)
エニシダ(25×35cm)

ブルーヘブンモーテル(35×50cm)

渋谷 道玄坂(50×70cm ※実際はB2判)

サイズが決まると額縁やマットの大きさも決まるので、額装も面倒がありません。よろしければ参考になさって下さい。それじゃ、また。



水彩画の描き方

水彩の技法やメイキングはこっち
[水彩画の描き方]ブログをご覧下さい。
シーン別メイキング、水彩動画もこちらにあります。

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